第11章 再会は降ってくる
「男の子って面倒臭いのね。さっさと告白したらいいのに」
よく通る子供の声は周囲にいた大人全員に届いた。一瞬固まったシャンクスとリオンは同時に呟く。
「そういうんじゃねェよ」
重なった声に顔を見合わせた二人は、がっしり固い握手を交わした。
(いや、何そこが分かり合ってんだよ……)
それを見た周囲の幹部達は一様にそう思った。
「う……ん……」
「あ、主役が起きた」
シャンクスの膝の上で寝こけていたフレイアが目元を擦りながら半身を起こした。小さく欠伸をしながら目を開いたフレイアは、皆の視線と手を握り合う二人を見てキョトンと首を傾げた。
「何かあった?」
「いや、何も」
「ところで、その子の故郷ってどこなんだ?」
「カリーダ島ってすぐそこの島」
肩を鳴らしながら答えたフレイアにシャンクスがベックマンを見る。
「そこって確か……」
「俺たちが補給のために行こうとしてた島だな」
「てか、すぐそこだろ。お前……」
昼間飛んできたことを思い出してシャンクスが呆れた表情を見せると、フレイアは「うるさいわよ」と不貞腐れる。
(島見ようとしたらシャンの船の海賊旗が見えたからなんて、死んでも言ってやらない……!)
心の中で決意を新たにするフレイアを見て、リオンは小さく舌打ちをこぼした。