第18章 覚悟
光秀はさえりの手を取り指先に口づけた。次に手の甲に口づける。口づけの場所は少しずつ移動していき、二の腕を辿り、脇にも口づけられた。
「やっ…そんな所…」
身を捩る。
「では何処に口づけられたい?」
意地悪な質問に、さえりは恥ずかしそうに目をさまよわせながら答える。
「唇に…」
光秀は軽く口づけただけで、さえりを見おろした。
「もっと、して…」
もっと濃い口づけが欲しくて、さえりがねだる。今度は深く口づけあう。互いの舌を絡め、水音を響かせる。
「次は?」
「やだぁ…言わせないで…恥ずかしいです…」
「お前の口から聞きたい」
光秀がさえりの唇をなぞる。視線が交わる。
「いっぱい、口づけて欲しい…」
口からこぼれ落ちた言葉に答えるように、さえりの身体中に、優しい口づけの雨が降り注ぐ。
「んっ…はあ…」
身体の線をなぞられる。
光秀がさえりの首に噛みつきかけて、口づけに変える。今日は優しくするのだというように。
さえりはだんだん身体中が熱くなってきていた。下半身がジンジンと熱を持ち、蜜が溢れるのが自分でもわかる。
光秀の頭を掻き抱く。
「ああ、光秀様ぁ…」
「もっと俺の名を呼べ。そして求めろ」
「光秀様、光秀様!貴方が欲しい…」
「もっとだ」
「光秀様で私をいっぱいにして!心も身体も、もっと奥まで、深く愛して…!」
さえりが泣き叫ぶ。光秀は自分の欲望が詰まったモノでさえりを貫いた。
「ああっ!」
久々の光秀の感覚に身を踊らせる。
「さえりっ、深く深く、愛してやる」
「だから、傍にいろ…!」
二人はしっかりと抱き合い、肌をピッタリくっ付けたまま動く。まるで最初から隙間など無かったかのように。
「ああっ、激しっ、あんっ、でも、もっとして…!」
「いくらでも」
「う、あんっ、はあ…っ、イく、イっちゃう」
「もっとその表情を見せろ」
「や、恥ずかし…、ああ、も、だめ、だめぇ!あああーーっ」
さえりが痙攣する。
やがて光秀にも限界が来る。久しぶりだから仕方ないのは分かっているが。
もっと、さえりを抱いていたいのに。
腕の中で小刻みに震えながら喘ぐ愛しい存在を強く抱きしめたまま、光秀は白濁の欲望を放った。