第18章 覚悟
「はっ……!」
光秀は汗だくで飛び起きた。
夢……?
夢なら、良かったのに。
「ぐっ……」
全身の痛みが、夢ではない事を証明していた。
女中が一人、慌ただしく部屋を出ていく。
「光秀様が目を醒まされました……!」
遠くで声がする。聞くともなしに聞いていた。
さえり……、さえりは?
慌てて視線を巡らせると、隣であちこちに包帯を巻かれたさえりが眠っていた。
「俺はどのくらい眠っていた? さえりは?」
「光秀様は丸1日。さえり様はまだ目を醒まされておりません」
光秀の質問に部屋にいた女中が答える。
それを聞いた光秀はさえりの手を取り頬を寄せた。
頼む……目を醒ましてくれ
光秀は祈った。