第17章 悪戯
光秀はさえりの手を引き御殿への道を急いでいた。
早くさえりを抱きたくて堪らない。
しかしずっと俯いて歩くさえりが気になり、足を止めた。それに気がついたさえりも足を止め、光秀を見上げた。
「光秀様……?」
さえりは熱っぽい目で光秀を見つめる。
ああ、お前も疼いて仕方ないのか
そう思った光秀は、もう限界だった。
裏路地へさえりを引き込み、壁にさえりの手を縫い止めて、深く口づける。
「ん、ん……」
さえりはそれほど抵抗せずに口づけを受け入れた。
唇を離すと、執拗な口づけのせいで糸を引く。そんな事はお構い無しに二人は見つめあう。
光秀はさえりの身体を反転させ、壁に手をつかせた。着物を捲り上げると、丸みをおびたお尻が夜に晒される。
「あっ、やぁ……」
かすかに抵抗の様な声を出すが、そのまま動かない。まるで待っているかのようだ。
光秀は自分のそそりたつ欲望の塊を取り出すと、さえりの口を手で押さえ、後ろから一気に貫いた。
「んんんーーっ」
寸止めされて火照っていたさえりはそれだけで身体を震わせてイく。
光秀は腰の動きを止めず、パンパンと音を立ててさえりを攻め立てる。
気持ちいい。
おかしくなりそうだ。
さえりの口を覆っていた手を緩め、人差し指と中指をさえりの口に入れて口内を犯す。
「んぐっ」
「噛むなよ」
耳元で囁き、さえりの耳を食む。
「ん゛っ」
舌を押さえた事で、さえりから変な声がでる。
さえりは光秀の指を噛まないように唇で食み、できるだけ声を我慢する。
「んん……んむっ、んーーっ」
夜の路地裏。誰が聞いてるとも分からない。
羞恥が熱を掻き立て、後ろから攻められ、口に指を入れられ声の自由は利かない。
なのに、身体も心も悦び、囚われ溺れる。
堕ちる。
堕ちていく。
共に乱れて。
だけど一緒なら怖くない。
貴方となら
お前となら
地の果てだろうが地獄だろうが、何処までも
愛している――
こんなにも求めてやまない存在がこの世にあったなんて。
「くっ……、出す、ぞ」
光秀は溢れる想いを解き放った。