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きつねづき ~番外編~

第16章 密会


視線の先に、愛しい人の小さな後ろ姿を見つけた。

目線を辿られないように、光秀は一瞬、目を閉じる。

直ぐに開いた目は鋭く、もう違う方向を見ていた。

「ではそのように」

会話相手にそっと金を握らせる。

どんな汚い手を使ってでも、守ってみせる。

主君を、民を、安土を、そして何より……

愛しい人を。

さっき見た、小さな姿を思い出す。何かを堪えるように、袖の下でグッと拳に力をいれた。

背を向けて歩き出す。

早く、早く、終わらせなければ。

厳しい瞳の奥に、深い愛情が秘められていた。

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