第7章 美酒
光秀は着物をぬぎ、自分のそそりたつモノをさえりの中へと押し進めた。
「ああ、ああっ!」
既に光秀の舌で感じていたさえりは挿入だけで身体を震わせる。
「まだ挿れただけだぞ。いい反応だな」
「だって……」
「だって、何だ?」
光秀がゆっくりと腰を動かす。
「あん……光秀様が……焦らす、から……」
さえりは光秀に全身を舐めまわされて身体が火照り、光秀自身が欲しくて堪らなくなっていたのだ。
「舐めまわされ焦らされて、喜んでいるのだろう? ほら今も、濡れかたが凄いぞ」
「いやぁ……やめて……」
光秀は動きを止めた。
「止めていいのか」
「……そういう、意味じゃ……」
「さっぱりわからないな?」
ニヤニヤと笑う光秀を見つめ、さえりは恥じらいながらも訴える。
「意地悪……お願い、動いて……」
光秀は腰の動きを速めた。
「あっ、はあっ、あんっ」
じゅぶ、じゅぶ……
部屋には二人が、愛し合う音だけが響く。
光秀がさえりの首筋にやんわりと噛みつく。
「ううっ」
噛みつかれた刺激でさえりの身体がさらに反応し、中をきゅっと締め付け光秀を否応なしに煽る。
しかしそれは諸刃の剣。より光秀を感じる事でさえり自身も登りつめていく。
「ああ、ああっ、イく、イっちゃうっ」
さえりの腰が、ガクガクと痙攣する。光秀の肌に爪を立てる。
やがて。
「光秀様ぁっ」
「さえりっ」
二人は同時に果てた。ハアハアと荒い息づかいが交わる。
暫くそのままの態勢で余韻を楽しむ。
「さえり……ん?」
さえりは意識を手放していた。暫くするとスースーと寝息が聞こえ始めた。
少々苛めすぎたか……と光秀は少し反省する。だが後悔はしない。さえりが可愛いすぎるから仕方ない。
さえりの顔を見つめながら、光秀は先程の自分の行動を思い出していた。
過去の再現など自分らしくもない。これが惚れた弱みと言うやつか。
厄介な感情だ。だが悪い気はしない。
光秀は腕の中で眠るさえりの髪を掬い口づけた。
その後、酒と唾液でベタベタになったさえりの身体を手ぬぐいでサッと拭き、褥へと運んだ。