第7章 美酒
光秀はさえりの涙を指で掬い、その指に口づけた。その仕草は妙に色っぽくさえりは思わず見とれる。
光秀が徳利を直接あおり、ぬるめの酒を口に含む。そして、さえりに口づけた。
「んんっ……」
飲みきれなかった酒が溢れ、頬を、首を、滴り落ちていく。僅かに唇を離した光秀の舌が、酒がこぼれた跡をたどり、頬を、首筋を舐めとっていく。
「あっ…」
光秀の思わぬ行動に、さえりは小さく声をあげた。
「此処にも零れてしまったな」
そう言いながら光秀はさえりの着物を暴いていく。帯を解き、袷を広げて胸元に舌を這わせる。
「はあっ…」
着物がするりとさえりの肩を滑り落ちた。裸体にされ暴いた着物の上に寝かされる。
光秀は徳利の酒をさえりの胸に垂らした。とろりとした酒がさえりの肌をを濡らしていく。
「ひゃっ」
酒はぬる燗だが、熱くなったさえりの肌には少し冷たく感じられた。
光秀の熱い舌がさえりの胸を這う。乳房をまんべんなく舐められ、てっぺんにある乳首に口づけられる。
「あんっ」
さえりの身体はピクリと反応する。
「甘いな」
酒の味など殆んどわからないはずの光秀が甘いと言う。
酒はお腹にも垂らされ、へそ回り、脇腹、と丁寧に舐めとられていく。
「あぁ、んっ…」
今度はうつ伏せにされ、背中に垂らされ舐められる。肩、肩甲骨、背筋、腰骨、臀部、と上から下の方へと徐々に全身を酒で濡らされ舐められていく。
「あっ、やあっ…」
光秀の舌がくすぐったくて気持ちよくて、さえりは逃れようともがく。
「逃げるな」
肩を押さえつけられ、背中に軽く噛みつかれた。
「ああっ」
さえりは動きを止め、その痛みを受け止める。光秀は噛みついた場所に優しく口づけた。
「うっ…」
痛みを感じた場所が甘く疼く。
また仰向けにされ、今度は太ももに酒を垂らされ、舐めあげられた。脹ら脛にも、足先にも、同じように垂らされ舐められる。
「ひっ」
あちこち舐め回され、さえりは全身が性感帯になったような感覚に陥る。
光秀はさえりの秘部にも酒を垂らした。
既にぐっしょりと濡れている秘部は、垂らされた酒をはじき下へと滴っていく。
垂れるのは酒か蜜か。
わからない。