第27章 Tea Break 2杯目
「そろそろ良いか? これから行く所がある」
暗躍ですか。
「人聞きが悪いな。さえりを愛でるだけだ」
そうですか……。程々にして下さいね。
「程々とはどの程度かな」
それは……個人の裁量によりますね。
「俺はさえりの泣き顔が見られたら満足だ」
……。
「ではな」
お幸せに。
さえりさんも大変だな。まあ二人が幸せならいいか。幸せオーラにあてられた感じもするけど。
さて、次は二番目に出番が多かった俺の最推し家康さんです!
「何この茶番」
いきなりの塩対応ありがとうございます。
「なんか怖いんだけど。帰っていい?」
来たばかりじゃないですか。
「なら早く用件終わらせて」
は、はい。では佐助の質問コーナー!
「は?」
猫は好きですか? 行きたい国は? 好きな女性のしぐさは? 推し武将は? スリーサイズは? 俺の事どう思いますか? 手形とサイン……署名下さいお願いします。
「ちょっと待って。後半なんなの、最後は質問ですらないし」
すみません取り乱しました。
「光秀さんには感想を聞いてたと思うけど」
聞こえてたんですね。ハッ、もしや待っていてくれたんですか?
「別に、そういうんじゃない」
待っていてくれたんですね。ありがとうございます。ファン冥利につきます。違うって言っているのにとか聞こえません。ではここまでの、きつねづきの感想をどうぞ。
「不満しか無い。完全に当て馬でしょ。推しだとか言っていた癖に」
もしかして妬いたんですか?
「妬いてなんかないし」
推しだからこそ言動が分かりやすく扱いやすいと。台詞に特徴があるし。俺の言葉じゃありませんよ、誤解なきよう。
「いちいち言わなくてもわかる。とにかく、さっきの一言に尽きる。これで用件終わったでしょ。俺は帰る」
ありがとうございました。今度御殿へ遊びに行っていいですか? ワサビ撫でさせてください。
あ、行ってしまった。
よっぽど不満を言いたかったんだな。でもちょっと妬いていたな。いや、拗ねたのかな。可愛い、と言ったら怒られるかな。
でもまあ、代わりに謝っておこう。すみませんでした。これからも大ファンです。