第4章 冬の黄葉
…………兄さまの分は。
私が吸った毒は少量だったけれども、身体の発達が終わっていない時期の服毒は、想像以上に「私」の身体に負荷をかけたようだった。
浸透した分は多すぎて、今更解毒も出来ない。
今まで通り進行を抑えて、30歳を迎えられるかどうか。
私の見立てと葉先生の見立ては一致し、
「兄さまたちには言わないで下さいね」
と笑った私に、葉先生は
「仕方ない馬鹿弟子だな」
と呟いて了承してくれた。
「私」が出来ることを成す。
無力で無害な「私」とは、兄さまが迎えに来てくれた日にさよならした。
「梨雪」としての「私」が出来ることを。
さぁ、「私」
何が出来るだろう?