第4章 冬の黄葉
直ぐに後悔した。
来る日も来る日も質問、質問、質問。
前世の知識もさることながら、頭の回転も速いようで、瞬く間に「葉棕庚」の知識と技術を吸い込んでいく。
その吸収力は、仙である黄葉をして慄かせるほどだ。
紫陽花に似た好奇心は遺憾なく発揮され、半年も経たずに殆どの知識も技術も飲み込んだ。
優秀な弟子の成長に対する驚きと喜びを感じるのと同時に、梨雪の残り時間を考えれば虚しさも感じる。
一瞬を生き抜く花火のようで。
眩しくて儚い。
仕方ねえから付き合ってやるよ、馬鹿弟子。
「ししょー!!!」
気恥ずかしい呼び名を大声で叫ぶ小さな弟子の頭を、黄葉はくしゃくしゃと撫でた。