第21章 それは甘くかぐわしい香り
「見られている時の方が、興奮しているようだが」
ぱっくりと開いた蜜壺を、しげしげと眺められる。
ダメ、そんなにじっくりと見ないで。イヤ。
そう思うのに、溢れ出る液はとうとう体を伝って床にまで広がっていった。
「……このように、蜜が溢れ出ているのだが」
クラウスさんの指がすぅっと蜜壺の入り口を撫で上げた。
蜜をすくい取るようにして指先が穴の中に少しだけ入り込む。
指先にねっとりとまとわりついた蜜を指で伸ばして、彼はそれを私に見せた。
「っ……い、じわる……」
「そう、させているのは君だ……」
「あっ…あっ、あっ」
ふいにクラウスさんが下腹部に顔を埋める。
ずるずると音をたてて蜜を吸いとられた。
吸われるまま、腰が浮いていく。
彼がいくら吸い尽くそうとしても、私の体の奥からはどんどんと蜜が溢れ出てくる。
そのうちに吸い尽くすことを諦めたのか、クラウスさんは今度は舌先を蜜壺の中へゆっくりと差し入れ始めた。
はじめは遠慮がちに舌のほんの先の部分だけ、入り口を軽くこする程度だった。
私の反応を確かめながら、少しずつ、奥深くまで舌を差し入れしてゆく。
指の感触とも、肉棒の感触ともまた違う。
柔らかくて、でも芯はしっかりとあって。
ぞりぞりと肉壁を擦り上げながら次第に奥まで侵入してくるクラウスさんの舌に、私の腰は浮いたままガクガクと震え始める。
ぐっと太ももをつかまれ、足を固定されてしまった。
これではもう足を閉じることは出来なかった。
それ以前に、私にはもう足を閉じるだとか、恥じらいだとか、抵抗するなんて気持ちは一ミリも起きなかったけれど。
ただ快楽に身を委ね、クラウスさんの舌に遊ばれているだけだった。
「はぁっ…あっ、あっ、い、いきそ……う…」
キラリとクラウスさんの眼鏡が光ったような気がした。
肉壁を擦る舌に加えて、クラウスさんの指先が最大に膨れ上がった豆粒を擦った。
「んっ、あっ、ああっ!!」
頭から足の先まで電気が走り、頭の中が真っ白になった。
持ち上げられていた腰が大きく波打ち震え、クラウスさんの顔に打ち付けた後、すっかり力が入らなくなった。
ゆっくりと床に私を横たえて、クラウスさんがなんとも言えない表情で私を見ていた。
──きっと、後悔しているに違いないわ。
私に手を出した事に。