第21章 それは甘くかぐわしい香り
「あっ、やぁ……」
布越しに撫で上げられただけなのに、全身を快感が駆け巡る。
たまらずクラウスさんの頭を押しのけようとしたけれど、構わずまた彼の熱い舌は布越しに愛撫してくる。
「だ、め…っ、そんな……」
甘くむせかえるような花々の香りがあたりに色濃く充満している。
そのせいで私も、クラウスさんもおかしくなってしまっているのだろう。
するりとスカートの裾を捲し上げられる。
もう抵抗など無意味だ。
私はされるがまま、彼の行為を受け入れた。
今度は下着越しに口で愛撫され、すっかり濡れてしまった下着には濃い染みが浮き上がっていた。
じっとそれを見つめられるのが恥ずかしくて顔をそむけたところで、グイと下着を引っ張られる感覚がした。
次の瞬間には、熱いクラウスさんの舌先がぬるりと下着の中に入り込んできた。
蜜が溢れ出る箇所をひと舐めしたかと思うと、豆粒のように膨らんだ箇所を狙いすませたかのように舌先でくすぐりだした。
まるで『ここが良いのだろう』と言わんばかりに、執拗に攻め立ててくる。
感度の高くなった箇所を柔らかな舌先でいじられ、ちゅくちゅくと響く音がいやに耳についた。
「力を、抜きたまえ……」
私を見上げるクラウスさんと目が合う。
ああ、恥ずかしい。
私の股の間に顔を埋めた彼の目は、ギラリと光る獣の目だった。
このまま骨の髄まで彼に食べ尽くされてしまうのではないかと、恐怖にも似た何かが体を駆け巡った。
先ほどまで力が入らなかったはずのクラウスさんは、次第に力を取り戻したようで、彼のごつごつとした手が太ももを掴み、ゆっくりと私の足を左右に開かせた。
そのまま下着を取り払われてしまい、私は下半身を彼の前にさらけ出す格好になった。
「いや……見ないで……」
そう懇願する私に、クラウスさんは首をかしげる。
「それは本心かね…?」
「本心、です……」
「本当に?」
ぐい、とクラウスさんがさらに私の足を広げる。
灯りの下にさらされた部分がてらてらと光っている。
足を広げられるほどに、体の奥から熱いものがこみ上げてくる。
「あっ…や…んっ……」
恥ずかしい、はずなのに。
蜜がとろとろと溢れ出てくるのを止められない。
「君は」
またぐいっと、クラウスさんが足をひらかせる。
もうこれ以上は無理だというくらいまで、両足はひらいている。