第27章 運命の糸先
「は、はは……これはっ……奴らが他に振舞わないわけだ……!」
視界に映るのは私を見下ろしながら恍惚の表情を浮かべる男の顔。
そんなもの見たくもなくて、ぎゅっと目をつむった。
大きなベッドがギシギシと軋む。私は気持ち悪さを覚えるばかりなのに、ベイリーは壊れたおもちゃみたいに腰を振り続ける。
内臓を突き動かされる感覚に吐きそうになった。
揺れ動く感覚は消えない。
だけど次第に頭がぼんやりとしてきて、吐き気は感じなくなった。打たれた薬が効いてきたのだろうか。
この男の行為を悦ぶようになってしまうのは嫌だけれど、意識が薄れた方が幾分か楽に思える。
男が果てたら私を殺すだろうか。そのまま逃げられでもしたら、私は何の役にも立てず終わってしまう。
どうか神様、それだけは。
誰か助けが来るまで、この男が私から離れませんように──。