第17章 転換
「ねぇ、貴方の他にもその力を持ってる人、いるんでしょ。知り合いじゃないの?」
「……さぁねぇ。この街ん中じゃ、すれ違ったヤツが何かしら変わったモン持ってるしな」
興味なさげに答えて、ザップはまだ半分ほど残っている葉巻を灰皿に置いた。
床に散らかった衣服を拾い上げ、下半身をしまおうとする。
(──しまった。踏み込みすぎたかもしれない)
リアがそう思った時にはもう、ザップはトップスに腕を通していたところだった。
イアンに情報を持ち帰らなければ。
時間はあまりなかった。
その中で少しでも有益な情報を引き出そうと、リアが焦るのも仕方なかった。
結局いまだザップとクラウスに繋がりがあるのかどうか分かっていない。