第13章 突然の入れ替わり
部屋から出ると、零の父親が居た。
「えーと、爆豪君だっけ?おはよう」
「っす……」
この父親、本当に入れ替わりが起きていると信じてくれている。
父親はニコニコと笑う。
「中身が男の子だと違うもんだね」
父親はテーブルにご飯を起きながら言った。
「最近、零があっちの世界について話してくれるんだよ。ヒーロー科の授業とか、お昼ご飯の話とかね」
「あっちはみんなスゲーところっすから」
「爆豪君って、調べたらすごいヤツだったんだね。クソが!とか言ってるんでしょ?」
そこまで調べたのかよ……。
「お父さん、おはよう」
「あっ、海翔」
弟の海翔が登場した。
「えーと、今日が勝己だっけ?」
「ああ……」
「ふーん」
コイツは信じてるのか分からねぇが、俺に全く興味がないというのは分かる。
「早く食べないと学校遅れるぞ」
「……いただきます」
俺は急いで朝食を食べ、支度を整えた。
「行ってきます……」
「行ってらっしゃい」
この世界に慣れたと言ったら嘘になる。
だけど、コイツが幸せになるというなら、俺はどんな困難にも立ち向かう。
俺はそんな困難に勝ってやるんだ。