第11章 離婚
日記が読み終わり、俺は胸が痛くなった。
コイツはどれだけ辛い思いをしていたんだろう。
「うるさい!いい加減にしてよ!」
どこから罵声が聞こえた。
すると、大きな物音が聞こえてきた。
「おい、子供達も居るから……」
「何が子供よ、あんなクソな子供達なんか要らないわ!零のせいで人生狂って最悪よ!」
まさかの夫婦喧嘩か……?
零のせいで人生が狂ったとなるなら、零の逃走が原因かもしれない。
今さ、子供もこんなに辛い思いしてるのに、優しい仮面を付けて今まで笑ってたのか?
「あんな病んだブス女、要らないのよ!別に私が産んだわけじゃないの!」
はっ……?
「このバツイチ野郎と結婚しなきゃ良かったわ」
部屋まで聞こえるコイツの母親の声に戸惑いを隠せなかった。
コイツの親、一回離婚しているのか?
「零も居るから……」
「ふざけないでよ!あんなヤツ、心脆過ぎでしょ?もう散々なのよ……」
一応自分の子供にそんなひでぇこと言うのか?
俺は部屋から出て、下のリビングを覗いた。
リビングは食器が割れたり、テーブルがひっくり返ってあったりしてぐちゃぐちゃだった。