第9章 闇深き日記
続きは、卒業式の時は、想いがぶり返してきて、泣きそうになったとか、綾香にヒロアカを教えてもらい、仲良くなったとか書いてあった。
やっぱり、その先輩は嫌いなんかなれなかったんだな。
そこは意味分かんねぇけど、この世界の人間って大変だな。
俺の世界はヒーローになれば人生バラ色だ。
だけど、この世界は全てが残酷だ。
俺の世界とは全然違う。
零……。
この世界に俺が居たら、俺はアイツを救えたのだろうか。
俺はその先輩と一緒に零を笑ったりするのだろうか。
俺は伝達用ノートを見返した。
アイツは俺の世界に居る方が楽しいと言っていた。
そりゃそうだろ?
こんな毎日言われて、キツイに決まってるじゃんか。
このクソが……。
俺の心もクソだったようだ。
「うるさい!いい加減にしてよ!」
また嫌な予感がするな……。