第10章 カミングアウト
目を覚ますと、かっちゃんの部屋に居た。
急いで支度を済まして、部屋を出る。
「今日は零ちゃん?」
「うわぁ、上鳴君だ!」
毎回この世界に来ると、興奮してしまう。
そんな私をみんなは暖かい目で見てくれる。
「零ちゃん、おはよう」
「おはよう、出久!目の前で見ると可愛いね」
出久はやっぱりすごい可愛い顔してて……そんな出久が好きなんだよね。
「えっ、そう?えっ……」
「照れ過ぎ」
戸惑う出久に私はキレのあるツッコミをした。
「まさか、かっちゃんが謝ってくるなんて思ってなかった……」
「ああ、たぶんね私の過去のせいかも」
「えっ?」
首を傾げる出久に私は微笑んで見せた。
「零ちゃん、おはよう!朝からデク君と仲良くしてるね」
「お茶子!目の前でみんなを見れるなんてこれ以上ないありがたき幸せだよ」
朝から色んな人が話しかけてくれる。
それが幸せだ。