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二次元の君と愛しき君へ【爆豪勝己】

第9章 闇深き日記





*****


1月7日


冬休みの終わり。


私はもう全てが嫌で、早朝にこっそりと長野に逃げ出した。


もう笑われるのが、あの人の顔を見るのが、サッカー部の人に笑われるのが嫌なんだ。


もう限界なんだよ。


私は途方もなく歩いた。


どうやって死のうか考えながら。


どこで飛び降りて死のうか、なんてさ。


あの顔を思い出すと、もっと先に行けるような気がした。


もっともっと、遠いところへ……。


お母さんや紗希の電話を無視して歩いた。


それでも、貴方の顔を思い出すと胸が苦しい。


紗希が心配する顔、お母さんが泣いている顔。


私はそれを思い浮かべて、どうしようもない気持ちになった。


長野駅まで戻ると、私の足も心もボロボロだった。


交番で素直に事情を話し、警察署に行かされた。


私は警察署の人に全てを話した。


お母さんが迎えに来てくれた。


明日の始業式は休むことにして、どこかのホテルに泊まった。



*****



そんな、逃げるほどかよ……。


もしかしたら、デクもこうなって、ヴィランになってたかもしれねぇ。


そんなことを考えると、体が震えた。


自分はどれだけ最悪な人間だったか。


……ヒーローの資格なんてねぇよな。



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