第9章 闇深き日記
11月23日
色々とあり過ぎて、日記を書く気にもならなかった。
だけど、これを遺書にするにはピッタリだと思った。
ある日、町中で先輩とすれ違い、それでストーカーと呼ばれるようになった。
先輩は好きだけど、そんな気が狂ったことなんてしない。
普通に生きていきたいと思ってた。
なのに、その話は先輩達や同学年に広がって、生きづらくなった。
大好きな貴方に笑われるなんてすごく辛い。
避けても避けてもまた巡り会う。
その度に笑われるなんて最悪だ。
これほどの屈辱を味わうなんて思ってなかった。
もう貴方なんか大嫌いだ。
もう死んでしまおう。
こんな世界で生きていられるものか。
私は人生初のリスカに挑んだのだが、想像以上に血が出なかった。
私が死ねば、平和になると思ったのに。
死にたい、もう嫌だ。
死にたいのにどうして死ぬことが出来ないの?
死にたい。
あの顔を見ると、死にたくなる。
どうして、私は生まれて来たのだろうか。
*****
俺はこれを見て、体が震えた。
そんな勘違いされて、噂になったら……とても恐ろしいことだ。
俺も最近までは、その先輩と同じような人間だったのだろう。
隣のページを見て、俺は息を飲んだ。