第9章 闇深き日記
9月10日
今日は雨の中、紗希とショッピングに行った。
元はと言えば、今日は体育祭の振替休日だったのだ。
バスを待っている時、あの人の顔が浮かんだ。
あの人の名前は何だろうと、紗希に聞いてみた。
涼介先輩か……。
カッコいい名前で、あの人に合いそう。
昨日の先輩がカッコいいと思えたのだろうか。
紗希に「好きなの?」って聞かれて、自分の軍の団長だからって変な嘘をついた。
私はあの人のことが好きなのだろうか。
一気に飛ばして9月12日
今日は一日丸ごと使って体育祭が行われた。
嬉しい気持ちがあるが、悲しい気持ちもあった。
綱引きの時。
先輩達がコントと言えるような面白い応援をしていた。
楽しい体育祭だった。
本当は終わらないでほしいと願う自分が居た。
もうあの人と関わることは無くなってしまうから。
*****
「涼介先輩か……」
俺はこんなことを読んで思った。
コイツ、この人が好きだったんだな。
初恋なのか、感情が何なのか分かってねぇみたい。
次のページを開いて、俺は目を見開いた。