第9章 闇深き日記
9月8日
お母さんが部屋に入ってきて、体育祭の中止を告げた。
外は激しい雨の音がした。
部活に行って、「体育祭ヤダなぁ」と呟いた。
「先輩達が必死に頑張ってるからそんなこと言っちゃダメだろ」
先生にそう怒られてしまった。
その言葉を聞いて、私は団長さんの顔を思い浮かべた。
あの人も必死なんだろうな。
私はそう思ってる自分に嫌気が刺した。
みんな頑張ってるのに、私は最低だな。
9月9日
今日は雨なのに体育祭が決行された。
最初の開会式は体育館で行われた。
その後は、びちょびちょのグラウンドに居た。
雨は酷く冷たかった。
それがとても痛く感じた。
団長さんを見ると、なぜかカッコいいと思った。
こんな困難な状況だからかもしれない。
私は誰かにぶつかり、転んで泥だらけになってしまった。
その後、紗希のお母さんに送ってもらった。
歩いている団長さんが気になるのはどうしてだろうか。