第8章 死を望む者
目を真っ赤にして戻ってきた私達にみんなは驚いていた。
「綾香、零、どうしたの?」
「昨日の事件かな?密かに有名なヤツ」
昨日のこと、けっこう有名になってるんだな……。
「かっちゃんを自分のせいで傷付けたから……死のうとした……」
私は自分で白状した。
すると、顧問の先生が私の肩をガシッと掴む。
「そんなこと、してはダメだ。昨日がお前じゃないのは知ってる。過去で自分を追い詰めるな」
「先生……」
「前を向け。どんなことがあっても、今を生きろ」
顧問の先生の言葉が私の胸に染みていく。
せっかく泣き止んだのに、また涙が出てきた。
「零、泣くな。これから人生色々あるんだ。こんなことで死のうなんてするな」
かっちゃん。
かっちゃんのおかげで、私も成長出来そうだよ。
「零、私も全力で支えるから!何があっても大丈夫だよ!」
隣でニコッと笑う綾香を見た。
「綾香……うん、私も全力で生きるよ!」
そう意気込んで、空を見上げた。