• テキストサイズ

二次元の君と愛しき君へ【爆豪勝己】

第8章 死を望む者





部活に出ると、綾香が心配そうに駆け寄った。


「零、昨日ヤバかったんだって!かっちゃんが、かっちゃんが……」


そこまで言って、綾香は黙って俯く。


「あの人達にいじめられて、かっちゃんじゃないくらい泣いてた」


かっちゃんが、泣いてた……?


「あっ、零!」


私は走っていた。


気付けば屋上に居た。


ここから飛び降りれば楽になる。


かっちゃんも入れ替わらずに住むでしょ?


「零!」


私は綾香の方に振り向く。


「……私の過去のせいで、かっちゃんを苦しめた。傷付けた!」


「零……?」


「私が存在するだけでみんなが嫌な気分になる……それなら、私は……」


私は屋上の手すりに力強く握った。


「やめて、零……」


綾香が涙目で私の腕を掴んでいた。


「そんな、やめてよ!零が悪いんじゃない。悪いのは、先輩達とサッカー部なんだよ!」


そして、綾香は私に抱き付く。


「死ぬのはダメだよ……」


「綾香……」


「かっちゃんがどんな気持ちで犠牲になったか知らないのに!かっちゃんだって、零のために頑張ってたんだから!」


/ 117ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp