第7章 恐ろしいヤツら
デクと寮に戻った。
デクに謝ろうとしたけど、とてもじゃないけど無理だった。
「爆豪、帰ってきたんだな」
クソ髪が話し掛けてきた。
「現実なんか怖ぇぞ」
「えっ?どうした、爆豪」
アホ面も来た。
共同スペースで俺は昨日のことについて話した。
もちろん、その場にはデクも居た。
「怖っ、それは耐えられねぇよ!」
「過去に振り回されるって最悪だなぁ」
「かっちゃん、大丈夫なの?」
俺はソファーから立ち上がり、突っ立ってるデクに向かった。
「そんで、俺は知った。いじめられる側の気持ち」
「かっちゃん……?」
「ごめん……俺がテメェにやってきたことは、俺がやられたヤツより恐ろしいって知って……ごめん」
周りが唖然とする中、デクはニコッと笑った。
「僕は気にしてないよ。君みたいな強い人に僕は憧れてるんだから。かっちゃん、大丈夫だよ」
俺は走って部屋に戻る。
俺はベッドでじたばたしながら泣いていた。
昨日から涙もろいんだ。
屋上の手すりまで追い詰められた時、とても怖かった。
俺はアイツに『屋上からワンチャンダイブ』なんて言っちまったんだ。
相手だって人間だ。
苦しくないわけが無い。
「ごめん、ごめん……」
俺はベッドで布団を抱き締めて泣いていた。