第7章 恐ろしいヤツら
目を覚ますと、懐かしい俺の部屋に居た。
ここは俺の実家だ。
部屋から出ると、クソババアが居た。
「おはよう、勝己」
「うるせぇ、クソババア」
「おお、本物は朝から酷い」
アイツ、ババアにバラしたんだな。
「そっちの世界はどうなの?」
昨日のことを思い出し、怖くなった。
俺はアレをデクにやってたんだ。
それを気付くと、自分が恐ろしく嫌になる。
「勝己?」
「……あの世界は怖ぇところだ」
怖いところだった。
アイツの過去、何があったんだろう。
それが分かれば苦労しねぇのに。
分かってても無理か。
アイツにとって無力な自分じゃ何も出来ねぇ。
「零ちゃん、とても良い子だったわ。アンタと正反対よ。今、戻っても無口って何かあったのね?」
「俺、デクに謝る」
「えっ?」
「昨日、あっちの世界でいじめられたんだ。だから、俺はクソ馬鹿野郎だと知った。自分がクソだって……」
ババアはバシッと俺の頭を叩く。
「叩くんじゃねぇよ、クソババア!」
「それがいつも勝己さ。少しヒーローらしくなってきたじゃない?頑張って、出久君に謝って来なよ」
「チッ、クソが……」
俺は頷く代わりにそう言った。
隣のデクん家に向かった。