第7章 恐ろしいヤツら
怖かった……。
ヴィランに教われた時よりも怖かった。
コイツの心も反映されてるかもしれねぇ。
それでも怖かったんだ。
「うっ……」
体も心も痛い。
人生で味わったことのない痛みだった。
今までは精神的に追い詰められたことなんてねぇし、戦闘訓練でもそこまで体が痛くなることはなかった。
だけど、両方追い詰められたら辛い。
デクと戦闘してもそこまでじゃなかったのに。
「かっちゃん……」
「爆豪……」
俺、死ぬかもしれねぇと思った時、とてつもない恐怖が押し寄せて来たんだ。
「爆豪君、あれは零が恐れていたサッカー部のヤツだ」
去年の担任が俺の肩を支えてくれた。
保健室で休ませてもらった。
「今、中身は爆豪君だったよね?」
「はい……」
看護教諭の先生が話し掛けてきた。
「松田さんは一回ね、保健室に来て給食を食べたことがあるの」
「えっ?」
「その先輩が放送委員で最後の放送してるから、クラスの人達の目が怖くて来たらしいの」
先輩、か……。
「それで、松田さんは色々話してくれた。今まであったこと、全部を」
「そうなんっすか?」
「内容は恐ろしくて、私の口からじゃ言えないよ」
「そうっすか……」
本人に聞いた方が良い、そう言われた感じだった。
俺は眠れないが、保健室のベッドで少し休んだ。