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二次元の君と愛しき君へ【爆豪勝己】

第7章 恐ろしいヤツら




「いってぇんだよ、クソが!」


俺は男の鳩尾を蹴った。


「ふざけるなよ、ブスが!」


思いっきり腕を引っ張られる。


痛い、痛い、痛い……痛い。


心も体も痛い。


いつも一番になりたがってた俺はどこに行ったんだ?


俺はいつも強くて、デクなんかより弱くねぇだろ?


どうして、こんなにも辛いんだ?


「ほら、爆豪なら泣かねぇだろ?」


気付いたら泣いていた。


「泣いてるわ、ボケ!クソデクと宣戦布告した時に泣いてたわ!」


必死に反論する。


コイツの名誉のために。


「俺、そこまでヒロアカ知らないしなぁ。さすがオタクだな」


「だから俺は、爆豪勝己だって言ってんだろ!クソモブ野郎共が!」


男は親指を下に向かって突き刺す。


俺もよくしていたことだ。


「お前なんかこの世で生きてちゃいけねぇんだよ。消えろ」


男が屋上から落とそうとする。


止めろ、コイツが死んじまう。


誰か……デクでも助けてくれよ……。


「かっちゃん!」


「零……いや、爆豪君。大丈夫か?」


紗希と綾香、去年の担任と現在の担任が駆け付けてくれた。


「かっちゃん、泣いてるね。そりゃ怖かったよね」


「爆豪、大丈夫?」


二人の顔を見た瞬間、安心してしまったのか、涙が一気に溢れてきた。


「爆豪だって人間だもんね。プライドなんか捨てて、良くなるまで泣いていいんだよ」


俺は二人の女子に身を委ねるようにたくさん泣いた。



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