第7章 恐ろしいヤツら
朝はアイツのノートを見ることが日課になってる。
『勝己さん、そちらの世界ではどうですか?
まだ何も言われてませんよね?
私は貴方の実家に行きたいと思っています。
出久とも一緒に行けたら良いなぁ。
この世界でどんなことがあっても頑張ってください』
毎日書くのが面倒なのか、文は短かった。
学校に行くと、教室で綾香が笑顔で迎えてくれる。
「今日はかっちゃんなんだね」
「ああ?俺は爆豪勝己なんだよ!」
ここ二週間、何も言われていないこともなかった。
『あれか?爆豪勝己が乗り移った松田』
『気持ち悪いよね』
陰で言われていたことは薄々気付いていた。
これがこの世界なんだと知った。
綾香と紗希が居てくれるから助かってる。
「雄英行きたいよ~」
「そう簡単に行けるもんじゃねぇよクソが!」
「それは知ってる。偏差値70以上の学校になんか行けるわけないでしょ」
綾香はそう言って、小さくため息を吐いた。
「私もヒーローになりたい……」
「コイツもクソナードと一緒じゃねぇかよ!」
綾香にツッコミをすると、チャイムが鳴って自分の席に着いた。