第6章 家庭訪問
私は光己さんのところに戻って手伝いなどをしていた。
「ただいま!」
「あっ、勝さん帰ってきた。勝己来てるわよ!」
確か、かっちゃんのお父さんには内緒なんだよね。
上手く誤魔化せるかな……。
「おい、このクソ親父」
「勝己、おかえり。出久君は帰ってきてるのかな?」
「ああ?クソデクも帰って来てるわボケ」
かっちゃんを演じるってキツイ。
悪い言葉を言う度に罪悪感がある。
「早く夕飯食べるわよ!」
椅子に座り、家族で食卓を囲み、笑いながら食べる。
私の家でもあるけど、一人足りないんだ。
かっちゃんのお父さんを見ると胸が痛む。
お父さんにはたくさん迷惑を掛けちゃったよなぁ。
「勝己、どうしたの?」
光己さんが話し掛けてきた。
「いや、何にもねぇわ、クソが」
光己さんは私の芝居にニコリと笑った。
さっさと夕飯を食べ終えて、かっちゃんの部屋に入った。
登山グッズにオールマイトのグッズ、出久との写真があった。
私はかっちゃんのベッドにダイブした。
寝たくてもあっちが寝ないとこっちも寝れないんだよね。
私は小さくため息を吐いた。