第6章 家庭訪問
――零ちゃん、正直に言った方が良いんじゃない?
出久が耳元で言ってきた。
かっちゃんには申し訳ないけど、自然にバレた方が良いかも。
かっちゃんからのメッセージもバレてる前提だったし、大丈夫だと思う。
「どうしたの?二人、やけに仲良しだね」
「なっ、違う……」
遠回しにバレようと思ったら変なことを言ってしまった。
「勝己、なんか女々しいね」
出久が肩をトントンと叩く。
言えってことか……。
「あの……私は爆豪勝己さんと体が入れ替わってるんです!」
「えっ?」
「私は松田零で、別の世界に住む人間です」
かっちゃんのお母さんはよく分からないとでも言うような顔をしている。
出久が代わりに説明してくれた。
「今、中身は女の子……零ちゃんってこと?」
「はい……」
「スゴいわね、面白い!ウチの子が貴方の学校で何してるか見てみたい」
分かってくれて良かった……。
「コミックみたいな話ね」
「私からしたら、この世界自体がコミックですから」
この世界はコミックの世界なんだ。
「じゃあ、光己さんって呼んでくれる?あの子と区別がつくように」
「はい、光己さん」
「勝さんには内緒で……」
かっちゃんのお父さんには内緒か……出来るかな?