第3章 クソな日常の方が楽
俺は授業が終わった後、寮に戻り、夕飯を食って、風呂に入る。
「かっちゃん、昨日は僕が洗ってあげたんだ」
「は?」
「零ちゃんが男の裸を拒絶してね……」
俺は大きくため息を着いた。
男風呂に入るのはキツかっただろうな。
だからって女子風呂に入らせたりしても大問題だ。
一人で入らせても俺の体を見るのも嫌がるだろう。
「かっちゃん、明日も入れ替わるの?」
「それは明日にならねぇと分からねぇよ、クソデク」
「あっ、まだ初めだもんね」
「初めもクソもねぇわ!」
体を一通り洗い、俺とデクは風呂に浸かる。
「おっ、爆豪。昨日の零ちゃん可愛くて、その姿のお前が面白かった」
「そりゃそうだろうな、クソが!」
アホ面が俺に話し掛けてきた。
俺が裸で顔を隠しているなんて気持ち悪い話だ。
入れ替わりなんて二度と起こるんじゃねぇ。
俺ためにも、アイツのためにも……。
「デク、アイツの名前って何だ?」
「えっ?零ちゃんのこと?」
アイツ、零っていうのか。
俺は名前を覚えるより、蔑称で呼んだ方がクソ楽だ。
俺は風呂から上がって、自分の部屋へ向かった。