第3章 クソな日常の方が楽
「爆豪、担がれてどうした?」
「何だよ、半分野郎」
救助に行こうとした半分野郎に話し掛けられて、俺は少しじゃないけどムカついた。
「なんか溜まってるなら爆破すれば楽だろ?」
「うるせぇ!俺に指図すんな!」
手から爆破させると、幾分か気分は良くなった。
さっき、重いことばっか考えたからいけねぇんだ。
俺らしくねぇよな……。
また爆発させると、デクが苦笑いを浮かべていた。
「デク、止まるな!さっきと行け、このクソデク。ぶっ殺すぞ!」
「やっとかっちゃんに戻って良かったよ」
「は?」
「かっちゃんに似合わないくらい暗かったから」
デクにそう言われると、否定は出来ない。
「うるせぇ!昨日のこと考えただけだ!」
「そうなの?友達は拒絶しなかった?」
「俺のファンなら尚更するわけねぇだろ!」
『爆豪、息荒いよ?』
『本物のかっちゃんみたい』
紗希も綾香も先生達も俺を拒絶しなかった。
そっか、良いヤツも必ず居るんだな。
「俺、馬鹿みてぇ……」
小さく笑った俺をデクは微笑ましそうに見ていた。