第2章 二次元に生きる君へ
「爆豪……じゃなくて、松田。食堂は分かるか?」
「知るわけないでしょ!」
上鳴君に聞かれて、私は否定した。
ヒロアカは好きだけど、雄英の中を全て知ってるわけではない。
「あっ、私、出久と焦凍と一緒に食べたいな!大好きなキャラだし」
「えっ!」
出久と焦凍は驚いている様子だった。
あっ、さりげなく好きとか言っちゃってた。
「爆豪と緑谷ってあり得ねぇよな?轟ともねぇよな?」
「変なグループになりそうだな」
上鳴君と切島君がそんなことを言って笑っていた。
このクラスって雰囲気が良いな……。
「やっぱりみんなで食べよう!」
「おお!」
クラス全員で食堂に向かった。
「すごいなぁ……どれにしようかな?」
種類の多さに悩んだ挙げ句、カレーにした。
私は要望通り、出久の隣に座ってみんなで食べた。
自分が食べてるのも美味しそうだけど、みんなが食べてる物も美味しそう。
出久のカツ丼を見ていると、出久と目が合った。
「えっと……食べる?」
「でも……」
「ほら、あーん」
出久にトンカツを口に入れられた。
「美味しい……」
「零、俺のもいる?」
上鳴君が唐揚げを口に入れてきた。
「唐揚げも美味しい……」
「俺のオムレツあげるよ!あーん……」
切島君にも切り取ったオムレツを口に入れられた。
「オムレツ美味しい!」
「俺の蕎麦もやるか?」
焦凍に蕎麦を口に入れられ、頭がショートしそうになった。
焦凍と出久にあーんなんてやられたらヤバいよ……。