第2章 二次元に生きる君へ
「ええぇぇぇ!!」
みんながそうやって驚くのは無理はない。
「かっちゃんと体が入れ替わってるってどういうこと?」
出久だ、可愛い……じゃなくて、ちゃんと説明しないと。
「たぶん、かっちゃんも困ってるんじゃないかな?異性だし、性格は全然違うし……」
「というか、かっちゃんって緑谷以外呼ばなくね?」
切島君が聞いてきた。
「まず、住んでる世界が違うからね」
「えっ!?」
「今、みんなが住んでるところは私達からすると二次元、アニメというか……簡単に言うとテレビの中。私のところは本当の現実だよ」
「僕らは二次元で、君が住んでるところは本当の現在……これが現実じゃないのか?世界が違うってどういうことだ?僕らが住んでるところはあのテレビの中なのか……」
「出久、ストップ!」
「はいっ!」
目の前で出久のブツブツを聞けて嬉しいけど、現実に居たらヤバい奴だよね。
そんなところも好きなんだけどさ。
出久は名前を呼ばれたのが嬉しかったのか、照れたように頭を掻いていた。
「名前は何て言うの?」
お茶子が聞いてきた。本物は超可愛い。
「松田零だよ。よろしくね」
「よろしくね、零ちゃん」
お茶子は抱き付くように駆け寄ってきた。
本物に触れられるって、幸せだなぁ……。