第17章 さらば初恋
目を覚ますと、見知らぬ男の部屋に居た。
もしかして、ここは……。
部屋から出ると、ギリギリ美人という枠に入りそうな女が居た。
「涼介、休みだからっていつまでも寝てんじゃないわよ」
「……はい」
とりあえず、コイツを装わないといけねぇな。
「受験が終わったからって、気楽に居てはいけないのよ。勉強、頑張りなさいね」
「はい……お母さん、会いたい人が居るんだ。後で行って来て良いか?」
「えっ、彼女出来たの?まぁ、良いわよ」
俺は着替えて、外に出る。
見慣れねぇ景色に少し不安になるが、道の奥の方に中学校が見えるので目指して歩く。
会いたい。
やっと、この世界に来れたんだ。
早く君に会って話をしたいんだ。
足取りは早くなり、歩きから走りに変わる。
早く早く君に会いたい。
「クソ、零……」
俺は走って、零の家に向かった。
会いたい、会いたい。
見慣れた家の玄関のチャイムを押す。
「はーい。って、先輩?」
「ちげぇぞ。俺は、爆豪勝己だ」
やっと、会えた。
この驚いている顔も好きだ。