第17章 さらば初恋
「かっちゃん……かっちゃんなの?」
零の瞳が潤い、揺れている。
クソ可愛い……。
「ああ。勝己って呼べや。それはクソデクのヤツだ」
「えっ、じゃあ、勝己……」
仕方ないというように呼んだ零を見て、少し寂しくなった。
涼介だったら、赤面して嫌がるんだろうな。
「で、勝己はどうしてここに……居るんですか?」
「敬語じゃなくていい。俺はテメェと……デートしてぇだけなんだよ」
「えっ……デート!?」
コロコロと表情が変わるところも愛しい。
「ほら、お前の行きてぇとこ連れてってやるよ」
「ショッピングで良い?」
「ふん、良いぜ」
零は準備のために家に戻った。
やっと話せたことに俺は喜びを噛み締めていた。
ああ、好きだなぁ。
こんな俺が入れ替わった相手に恋するなんて馬鹿みてぇだ。
「勝己、行こう!」
そう言ってやって来た零の姿に俺は目を見開いた。
清楚なワンピースに薄めのカーディガンを着て、シマシマ模様の鞄を手に持っていた。
「零……」
可愛い過ぎんだろ。って言うより、美しい。