第16章 マジの雄英
「正解だよ、緑谷君」
緑谷は恐ろしい顔をしていた。
「緑谷君、爆豪君、切島君、早く学校に行かなくては遅れるぞ!」
飯田ってヤツの声が聞こえた。
「うん……そうだね。行こうか、涼介クン?」
「なっ、爆豪君でも零君でもないのか?」
「そうだよ。零ちゃんがかっちゃんと入れ替わり現象を起こした原因なんだろうね」
緑谷は俺を睨み付ける。
「僕以外にも零ちゃんを好んでる人たくさん居るよ?例えば、物間君もすごい急接近してるんだよ」
俺の顔が一気に血の気が引いていく。
緑谷の顔を大きな怒りを見せていた。
「あの子のことを何も知らずに勘違いして、変な噂を流して、笑ってたんでしょ?僕がかっちゃんにいじめられるより恐ろしいよ」
緑谷は自嘲気味に笑う。
「昨日のかっちゃんも怒ってただろうね。あの子の魅力を知った僕達はきっとみんな怒るよ」
『あのブスが俺をストーカーしてるヤツだよ。気持ち悪いよな』
手足が震えてくる。
「かっちゃんも君の後輩にいじめられて、泣いてたんだよ。ねぇ、自分がどれだけ酷い罪を犯したか分かってる?」
後輩って、アイツらか……。
「確かに俺は、酷い罪を犯した。名誉毀損と同じだな。だから罪滅ぼしなんて出来ねぇのかなって考えた」
俺は緑谷の顔を見つめる。