第1章 君との約束、あなたとの約束
無事に撮影が終わった。
帰りの準備をしていると、ヒロインの女の子に話しかけられた。
ヒロイン「玉森さん、お疲れ様でした」
裕太「あ、お疲れ様でした」
ヒロイン「ラストシーン、凄く良かったです」
裕太「ありがとう」
ヒロイン「あの………私の勘違いだったらごめんなさい。ラストシーン、誰かと私を重ねて見ていなかったですか?」
裕太「えっ?」
図星だった。
俺は、あの時の約束を重ねていた。
笑ってごまかす俺に、それ以上彼女は何も聞いてこなかったけど、きっとバレていただろう。