第2章 桜色の約束
俺はそっと声をかけた。
裕太「?」
俺の声に顔を上げる彼女。
俺の方を向いた彼女は、少し大人になっていたけど、昔の面影が残っていた。
「裕太…………」
裕太「約束……………覚えててくれたんだ」
はコクンと頷いた。
裕太「久しぶりだね。、綺麗になったね」
は頬をピンク色に染め、恥ずかしそうに下を向いた。
どう話したらいいか、わからなかった。
話したい事は沢山あったはずなのに、上手く言葉にできない。
「映画、見たよ。裕太素敵だった」
裕太「ありがとう」
「ラストシーンもこんな大きな桜が映ってたね」
そう言って桜を見上げる。
「あのセリフ………まるで私に言ってるみたいだった」
言い終わりこっちを向いたの頬を、ひとすじの涙が零れた。
俺は駆け寄り、を強く抱きしめた。
裕太「逢いたかった………あの日からずっとの事を想ってた」
「うん………」
裕太「俺は今でもの事が好きだよ。あの頃よりも、もっと愛してる」
俺の腕の中で、が小さくふるえていた。
裕太「もう離したくない。これからは俺の側にいてほしい…………結婚しよう」
「はい」
俺達を祝福する様に、桜の花びらが俺達を優しく包み込んだ。
ーendー