第12章 仕事仲間
「なんの用だ、クソメガネ」
「リヴァイの不調の原因を探りに来たんだよ」
……不調? リヴァイさんが?
マヤは心の中で、なんだろう?と思った。
「あ?」
「あ?じゃないよ、リヴァイ! ため息ばっかりついて全然仕事にならないじゃん」
「………」
「で、そのことを責め立てると、言葉が降りてこねぇんだよ!って逆ギレするしさ。こっちの迷惑も考えてほしいね」
……リヴァイさんが ため息をついて仕事にならない? そりゃ接客中に ため息ばかりじゃ駄目だよね…。
言葉が降りてこない? お客さんを口説く良い言葉が出てこないってこと…かな?
それで何故、ハンジさんとミケさんがここに来るの?
?????
マヤの頭の中は、疑問符でいっぱいになる。
「まぁ来てみて よ~くわかったよ!」
ニヤニヤするハンジとミケ。
「まさかリヴァイが 恋わず…」
「黙れ、クソメガネ!」
さっきまでブランコに腰かけていたリヴァイが、ハンジの胸ぐらを掴んでいる。その電光石火の早業に、マヤは驚いて目が真ん丸になった。
「はいはい、わかったよ~」
ハンジは、両手を降参だと言わんばかりに上げた。
リヴァイのせいで乱れたシャツの胸元を直しながら、
「お邪魔虫は とっとと退散することにするよ!」
と言いつつ、マヤに笑いながら声をかけた。
「マヤちゃん、リヴァイをよろしく頼むよ!」
「……はぁ…」
意味をよくわかっていないマヤが、曖昧な返事をするのをニッコリ笑顔で見届けてから、ハンジはミケと出ていった。
「あの… リヴァイさん、不調って… 大丈夫なんですか?」
「いいか、マヤ。あのクソメガネの変態野郎が言ったことはすべて忘れろ」
「……はい?」
「いいから忘れろ!」
「……はい…」
「あははは~ あはは! ミケ~! あのリヴァイがっ! 恋煩いとはね! 恋の病ときたもんだ! もう笑いが止まらないねぇ!」
「ぶはっ、そうだな」
「早速、エルヴィンに報告に行こう!」