第11章 嫉妬
「食え」
そう言ってリヴァイは、マヤの隣にドカッと座った。
……食えって言われても…。
一体、何なんだろう。
……あ! もしかしたら私、さっきものすごくシュークリームを今食べたいみたいなオーラを出してたのかな?
きっとそうだ。
私はそんなつもりはなかったけれど、リヴァイさんは こんな風に見えて優しいから、シュークリームを買ってくれたんだ。
こんな風… そう、滅茶苦茶怖い。今だって隣に足を組んで座って、こっちを見ている。眉間の皺も深いし、絡みつくような視線には温度がない。普通ねちっこい視線は熱いものだけど、今の彼の視線は氷点下だ。
でも、私にシュークリームを買ってくれた。
それは…、優しいから。
……折角リヴァイさんが買ってくれたシュークリーム、早くいただこう。
「いただきま~す」
うん、やっぱり美味しい! 結構久しぶりに食べたけど、このなめらかなクリームは絶品だ。
そう思いながら目を細めて堪能していると、強い視線を感じた。
あっ そうだ。リヴァイさんに、めっちゃ見られてたんだ。
「……美味しいです~!」
「そうか、良かったな」
……そんなに見つめられると、食べにくいんだけど…。
隣に座ったリヴァイの視線を極力意識しないよう努力しながらシュークリームを頬張ったマヤは、パクパクもぐもぐと食べきった。
「……やっぱり このシュークリームすごく美味しいです。リヴァイさんも食べてみて?」
マヤのその言葉が終わるや否や、リヴァイは左手でガシッとマヤの後頭部を掴んだ。