• テキストサイズ

【リヴァイ】揺るぎない想いと誓い【進撃の巨人】

第11章 嫉妬


すっかり忘れていたジャンとの懐かしい思い出に マヤが浸っていると、リヴァイが突然立ち上がって公園を出ていった。

……え?

思いがけないリヴァイの行動に一歩出遅れるが、マヤはすぐにあとを追う。

「リヴァイさん!」

追いながら声をかけるが、リヴァイはまっすぐ前を見て振り向かない。

マヤは小走りで追っているのに、全然二人の距離は縮まらない。

……リヴァイさん、歩くの速い…。

いつもは もっとゆっくりじゃん。もしかしていつもは、私の歩く速度に合わせてくれているの?

ほとんど本気で走って やっと追いついたマヤは、リヴァイに問う。

「リヴァイさん、どうしたんですか?」

リヴァイはずんずん歩きながら、目だけジロリとマヤの方に向けると、こう言い放った。

「俺と食え」

……は?

思いがけないリヴァイの言葉に、どう答えたらいいかわからなくなるマヤ。

……俺と食え? ……何を?

マヤは戸惑いながら、黙ってリヴァイについていく。

駅前に着いたリヴァイはぐるっと見渡して、ある一角に向かった。

「……あ…」

マヤは 思わず声が出る。

リヴァイの向かった店は、シュークリーム屋だった。

不機嫌そうにシュークリームを二個買ったリヴァイは、マヤの右手を取ると 又ずんずん歩き始めた。

……公園に戻る気なんだ…。

マヤはリヴァイに掴まれている手首の痛みを感じながら、そう思った。

このまま引きずられるように歩くのもどうかと思ったマヤは、リヴァイに声をかけた。

「あの! どうしちゃったんですか?」

リヴァイは答えない。

「リヴァイさんもシュークリーム、食べたくなっちゃったの?」

……んな訳ねぇだろ。どこまで鈍感なんだ。

公園のベンチに戻ってきたリヴァイは、マヤをベンチに座らせると、シュークリーム屋の紙袋を彼女の膝に置いた。

「食え」

……俺と一緒のときに食って、ジャンとの思い出が上書きされればいい。


/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp