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【リヴァイ】揺るぎない想いと誓い【進撃の巨人】

第11章 嫉妬


「今日は 彼女は一緒じゃないの?」

このひとことで、オレはマヤとの思い出から引き戻された。

「あいつとは別れた」

「そうなんだ、お似合いだったのに…」

「は?」

「だってジャンの好きな綺麗な黒髪で、可愛い子だったじゃん」

「色々あんだよ」

オレはそんなことより、ずっと訊きたかったことを切り出した。

「んなことよりマヤ、彼氏できたんだな」

「え?」

「ほら あの人…」

ガラス張りのパーテーションの学習室の方に視線を向けたオレは、ドス黒くて鋭い殺人光線に射抜かれた。

怖ぇぇぇぇぇぇぇ!

マヤは一瞬 殺人光線発信源に目をやると、ぶんぶん頭を振った。

「あの人は そんなんじゃないよ?」

「いやでも実はオレ、こないだ あの人とマヤが歩いてるとこ見かけたんだ」

「えーっ、そうなの? 声かけてくれたら良かったのに」

「それがよ… その…、あの人の コイツは俺のモノだ近寄んじゃねぇオーラが半端なくてよ…」

「は? 何言ってんの」

「今だってよ!」

今だってオレ、目だけで焼き尽くされそうになってんじゃんかよ。

それなのにマヤは へらへら笑っていやがる。

「リヴァイさんは 目つきが悪いだけなの!」

目つきが悪いとか そういう問題じゃないだろ。

マヤは やっぱり鈍感なままなんだな…。

一緒に帰った日々…、あの丁字路で じゃあ明日ねと、あっさり背を向けるマヤ。

お前は 一度も振り返らなかったよな…。

オレは別れがたくて、もっとお前と話したくて、お前の顔を見ていたくて…。

オレがどれだけお前のことを好きだったかなんて、これっぽっちもわかってなかった。

一度でいい、振り返って戻ってきてくれないかと、マヤの背中に揺れる長い髪を見つづけたあの日。

「ま、仲良くしろよ?」

オレはこれ以上睨まれないように、そこを立ち去る。背中から、

「だから そんなんじゃないんだってば!」

と、マヤの声が聞こえる。

オレはリヴァイさんと呼ばれた男に同情しつつ、振り返らずに片手を上げた。


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