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【リヴァイ】揺るぎない想いと誓い【進撃の巨人】

第11章 嫉妬


「マヤとはキスしたのか?」

コニーが ニヤニヤしながら訊いてくる。

「してねーよ!」

……できる訳ねぇじゃないか。手さえ握れてねぇのに。

「…ったく情けない野郎だな」

「うっせー!」

「お前ら 毎日仲良く帰ってんじゃねぇかよ。んなもん、ガバ!ギュ!チュー!とやっちまえよ」

「んなこと できっか!」

「勢いなんだよ」

……そんな勢いで できちまうような簡単なもんじゃねぇわ。

入学式で一目惚れしてからずっと、あいつだけを見てきた。やっと… つきあうとこまできたんだ。下手なことして、嫌われたくねぇ。

「ジャン、いい策を授けてやるよ」

「ん?」

「駅前にシュークリーム屋ができただろ。シュークリーム買って一緒に食うんだよ」

「は?」

「鈍いな お前。クリームが口についてるとかなんとか言って、そのままガバ!ギュ!チュー!ってやんだよ」

「おお! それならオレにも できそうな気がするぜ」

「だろ?」

「お前 すげーな!」

「俺は天才だからな」

コニーが ニシシと笑う。

早速その日、丁字路まで来たところでオレは切り出した。

「シュークリーム屋できたじゃん? もう食った?」

「ううん、まだ」

「今から食わね?」

「いいね!」

……30分後 オレとマヤは、マヤの家のそばの公園のベンチに座っていた。

二人の間にはシュークリーム屋の紙袋。

……やべ、緊張してきた。

「食べないの?」

「さ、先に食えよ」

「うん じゃあ、いただきま~す!」

紙袋から大きなシュークリームを取り出したマヤは、大きな口を開けて頬張った。

「おいひい~!」

マヤの口元を凝視するオレ。

よっしゃー! クリームがついてる!!!

「ク、ク、クリームが」

裏返るオレの声。マヤの方に にじり寄る。

「うん? あ~ ついてる?」

マヤは ペロッとくちびるのまわりを舐めた。

……か、か、か、可愛ぇぇぇぇ!

オレは心の中で絶叫した。

「どうしたの? ジャンは食べないの?」

「お、おぅ」

マヤにキスすることはできなかったけど、あのときのシュークリームの味を オレは一生忘れねぇ。

「甘いな… これ」


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