第7章 不在
「誰? クラスの子?」
「ううん、家の近くの図書館でよく会う人」
色々 思いきり省略されているけど、仕方がない。LIVEの日の屋上やら学校まで来たことやら… どう説明したらいいかわからない。
「へ~! 図書館だなんて… マヤらしいね。で、どんな人? 」
「………」
マヤは答えに困ってしまった。怖くて威圧感がすごくて、いつも不機嫌そうで何を考えているかわからないように見えるけど、実は意外と優しくて… いい人…?
……また、色々省略することに決めた。
「優しくて… いい人」
「同い年?」
……リヴァイさんって何歳なんだろう。
「ううん 年上だけど、何歳か知らないの」
「学生? 社会人?」
……私、リヴァイさんのこと… 何も知らない…。
「知らないの。ちょっと図書館で見かけるだけだから」
「そっか~。でも これから楽しみだね。頑張れ マヤ!」
エミが 小さくガッツポーズを作った。