第1章 No Name
私は高校3年生。夏休みも終わり、いよいよ受験に向かって本格的に取り組まないといけない。
一応名の知れた私立大学の付属高校に通っているので、そこそこの成績を修めていれば、エスカレーター式に進学できる。エミもそれを狙っている。
でも、私は違った。最難関といわれる国立の大学を目指していた。
3年生になって、ほぼ毎日深夜まで勉強する日々。模試では合格確立A判定を出してはいるが、決して油断はできない。
No NameのLIVE当日になった。朝の9時に会場のある最寄り駅で待ち合わせ。はっきり言って、学校に行くときより早起きしなくてはいけない。
昨夜は今日一日勉強できないからと、ついつい寝る時間を惜しんで勉強してしまい、結構な寝不足で体がだるい。
ぼーっとした頭で、制服を着そうになったが、あっ そうだ… LIVEだったと思い出し、適当に白いブラウスと紺のロングスカートを選んだ。