第4章 図書館
一体何がどうなって、こうなったのだろう。
いつもの図書館、いつもの学習室、広げられた見慣れた参考書にノート。いつもの光景に異彩を放つ、目の前の男。
マヤはリヴァイが気になって、先ほどから全く参考書の文字が頭に入ってこない。
……リヴァイさん あとをつけたって言ってるけど、まだ… お礼とやらをさせる気なのかな?
……どうしたらいいんだろう…。
マヤは、そっとリヴァイをうかがう。
リヴァイは右手で頬杖をつき、左手でワーズワースを気怠そうに持っている。足を組んでいるため体が机に対して、かなり斜めになっている。
サラサラの黒髪に鋭い切れ長の目。今日はサングラスをかけていない。肌は白くなめらかで美しい。
マヤは今までの人生で「美しい」と思う男性に出会ったことがなかった。
……リヴァイさんって… すごくかっこいい…。
見惚れていたら、リヴァイが目だけで じろっとこちらを見た。
ドキっとして慌てて下を向く。
……やだ、今絶対 私の顔赤くなってる。恥ずかしい…。