第4章 図書館
しばらくしてから向かいの席に誰かが座った。勉強に集中していたマヤは、その人が入室してきたことに気づいていなかった。
顔を上げると、眉間に皺を寄せた切れ長の目の男が こちらを見ている。
「リ、リ、リバ、リバ……!」
「リヴァイだ」
リバリバ言うマヤに、さらに眉間の皺を深くする。
「どうしてここに!?」
大声を出すマヤに リヴァイは左手の人さし指を口元に立て、声を出さずに しーっと息を漏らした。
その仕草があまりにも妖艶で、マヤはドキッとする。
声を落として、もう一度訊いた。
「どうしてここに?」
「あとをつけた」
「どこから?」
「学校から」
「どうして!?」
「うるせぇな…、静かにしろ」
面倒くさそうにリヴァイは言うと、持っていた本に目を落とした。