第17章 揺るぎない想いと誓い
リヴァイのサラサラの黒い髪が、風に吹かれて揺れている。
切れ長の鋭い目は、深い夜の色に輝いている。
相も変わらず眉間に刻まれた深い皺…。
薄いくちびるは何か言おうとしているのか、わずかにひらいている。
マヤは久しぶりに自分の目の前に姿を現した、美しい一人の男に目眩がした。
……一目でいいから 逢いたかった…。
……逢えた… やっと逢えた… リヴァイさん…。
ずっと面影を追いつづけた人にやっと逢え、こらえていた涙が マヤの頬をはらはらとこぼれ落ちる。
一瞬 強く吹いた風に、マヤの艶のあるダークブラウンの髪が乱れた。
その瞬間 髪の間からのぞいた、透け通るような白い肌と深みのある琥珀色の瞳のコントラストが、リヴァイの心を鷲掴みにする。
みずみずしい果実のような赤い小さなくちびるは、何を言おうとしているのだろうか、真珠のような白い歯が少しのぞいている。
リヴァイは恋焦がれた女の、自分が何度も思い描いたものより圧倒的に美しいその姿に心を奪われ、ただ見惚れることしかできずにいた。
……何度も 忘れようとした…。
……でも忘れられなかった… どうしても忘れられなかった… マヤ…。
ずっと忘れたくとも忘れられなかった愛おしい人に やっと逢えたリヴァイの鼓動は速くなり、緊張で冬の屋外だというのに汗が滲む気がした。